出版案内
■『カーくんと森のなかまたち』 絶賛発売中!
夢ら丘 実果・絵 吉沢 誠・文
定価 1,500円+税 ISBN 978-4-915142-02-4 発行日 平成19年9月10日 いきる力を失ったホシガラスのカーくんの再生を美しい絵でおとどけします。 本のサンプル画像は左の画像、リンクよりご覧ください。 推薦
: 聖路加国際病院名誉院長 日野原重明 |
|||
この森に暮らす鳥たちの物語は、人間のいのちも鳥のいのちと同様、互いに助け合ってこそ生きていかれるというお話です。消えてしまいたいと思う人は一人で悩んで、周りに生きていることの辛さを、傍にいてゆっくり聞いてくれる人がいないので、孤独に耐えられず、急に悲しい思いに沈みこんで自らいのちを絶ってしまうのです。 悩んでいる人には一緒に悲しみながら、心を支えてくれる人が必要です。それは親しい友人であったり、学校の先生であったり、また見知らぬ人でも、たとえば「いのちの電話」の聞き手のみなさんのように、ボランティアとして、深く落ち込んで悩んでいる方のいのちの支え手となる人がいることが大切です。あなたも私も、自分にしか出来ないこと、いいところが必ずあります。それを探すことも大事な勉強なのです。この鳥と森のストーリーから支え合って生きることの大切さを学んで下さい。
|
|||
主人公のホシガラスのカー君は、森の鳥の学校の生徒ですが、最近元気がないようです。「みんなのように立派な美しい羽がないし、かっこよく飛べない」「ぼくなんていなくてもいい」「消えてしまいたい」とまでつぶやいています。でもカー君はだんだんと元気を取り戻しました。その秘訣は何だったのでしょうか。それはけっして鳥のお友達や先生が励ましたからではありません。励ましの言葉は間違いではないけれど、カー君のこころを支えてくれませんでした。ここで大切なのはカー君の話を聴いてくれる仲間がいたということです。 自殺の危機を救うためにはこころの病気があれば治すことが必要ですし、生きる意味や喜びを見出すことも大切です。危機の時にいちばん重要なことは、危機にある人を孤立させないことです。自殺は孤独という病気なのです。カー君が夢に見た不思議な光とは、「君は一人ぼっちではない」というメッセージだったのかも知れませんね。
|
|||
私たちの周りにはさまざまなストレスがたくさんあり、現代社会はまさにストレス社会と言えます。ストレス状況が長く続いたり、それが非常に強いものだった場合に、時に私たちはスランプ状態に陥ったり、元気がなくなったりする状態になります。この状態を「抑うつ状態」といいます。
そしてこの抑うつ状態は、話を聞いてもらったり、休養をとったり、環境調整をすることによって、多くの方はまた普通の状態に戻っていきます。しかし、わずかな人はその回復路線に乗れず悪くなっていってしまいます。そうなると、もはや話を聞いてもらったりするだけでは回復できず、専門医により抗うつ薬という特別な薬物療法が必要になってきます。この状態が「うつ病」です。うつ病は必ず治る病気です。それも早期発見し早期治療を始めれば、回復するまでの期間も短くなります。 このうつ病に陥った方の一部の方が「死にたい」という願望を持ってしまいます。そして実際に自殺企図をした方のほとんどは助かるのですが、ほんの一部の方は完遂されてしまい、今は1年間で3万人いるということです。ですから誰か近くの方、家族・お友達・会社の同僚や上司の方のどなたかが「うつ病かもしれない」と気づいてほしいのです。うつ病の方の考え方はすべて否定的で、絵本のなかのカー君のように自己評価も低く絶望的になってしまいます。 私の研究では今の中学生の4人に1人が、在宅で介護をしている方の4人に1人が抑うつ状態であることがわかっています。身体の病気で入院している患者さんの3人に1人が抑うつ状態です。家族や同僚やお友達やご近所の方など、身の回りの方を見回してほしいのです。少しでも元気のない方がいらしたら声をかけて上げてください。
|
|||
人に生きる希望がなくなるのは、自分が必要とされていないと感じる時ではないでしょうか?
私自身も交通事故に遭い、絵を描くどころか日常生活さえもままならず、自分が情けなくて、眠れない夜が続いたことがありました。自分が、全く価値のない人間に思えてしまったのです。
そんな時、身近な家族や友人が私に声をかけ、私の気持ちに寄り添って、こころゆくまで話を聞いてくれました。そのことで、私はどれだけ救われたことでしょう。
誰かの声に耳を傾けることは、時として、かけがえのない命を守ることにつながるかもしれません。「あなたがいるだけで嬉しい」と伝えることは、人に大きな勇気を与えることと
思います。そんな言葉を必要としている人が、きっと、あなたのまわりにもいるのではないでしょうか?
|
|||
私は常々、子供たちには、仲間と一緒に大いに遊んで生きる力を育み、生きることは素晴らしい
ことだと、身体と心の両方で理解できるようになってほしいと願っています。そして、 困ったときは、みんなでお互いに助け合い支えあうことが大事だという気持ちをもってほしいと
思っています。 本来、子供はたくましいものですが、それでも深く傷ついて、落ちこんでしまうことがあります。 そんな時に出しているサインを見逃さずに、手を差し伸べることのできる大人でありたいと
思います。このホー先生のように、子供たちを信じて、あたたかく見守ってゆきたいと考えています。
|
■『子どもの未来をひらく』-新しい家庭教育をもとめて- 在庫切れ
藤原 喜悦 編
定価 1,300円 ISBN - 発行日 昭和49年10月1日 新榮堂書店池袋本店の教育相談室でのケースワークを基に、筑波大学、千葉大、立教大、東京学芸大、和光大の教授による家庭教育書。 |